第二回 AVARカンファレンス(1999) 報告書

by AVARディレクター 技術担当 アラン・ダイヤー

関連資料
AVAR99 写真:http://www.aavar.org/AVAR99photo.htm
AVAR99 プログラム:http://www.aavar.org/Program.htm


第2回AVAR(アソシエーション・オブ・アンチウィルス・アジア・リサーチャーズ)カンファレンスは、1999年10月28日、29日の2日間にわたり韓国ソウルで開催された。約50名の聴講者と講演者がアジア各地域や米国から参加した。

AVAR会長の村上清治(JCSR(日本))と、AVAR副会長の Charles Ahn(Dr. Ahn's Anti-Virus Laboratories Inc.、韓国)が開会の挨拶を行った。村上氏は、アジア太平洋地区でウィルス情報の交換を行い、ウィルスによるダメージと被害の拡散を防ぐためにはAVARを組織的に将来どう強化していくかという展望を語り、アジアの各地域でウィルス対策活動や情報の交換を活発化させるために、各地域にAVAR支部を設立することを提案した。Ahnは、増加する一方のウィルスによる被害に迅速に対応するために、リアルタイムで情報交換することの重要性を強調した。

韓国KISA(Korea Information Security Agency, 韓国情報保護センター)所長の Chul Soo Lee 氏は、現在のウィルス作成の傾向は面白半分であったり、ネット犯罪に対する自分の能力の誇示のためであることを警告した。これを防ぐためには技術的・法律的な基準を設けることが必要で、韓国政府はこの作業に着手しており、AVARとも協力関係を築いていくと語った。

韓国トレンドマイクロ社の Cho Kyu-Hong氏 は、米国トレンドマイクロのリチャード・クーに代わって講演し、Microsoft Exchange, 5.5, 5.5 SP3 と 2000の異なる3つのバージョンの開発について説明した。

通商産業省機械情報産業局電子政策課情報経済室長の木村雅昭氏は、日本のセキュリティポリシーとウィルス対策活動について発表した。コンピュータウィルス対策基準とウィルスに関する法律、そして、増加しているウィルス被害届出状況についての説明があり、日本政府はウィルス対策活動に貢献し、AVARに協力すると語った。

香港Yui Kee 社のAllan Dyerは、コンピュータに関する知識は世代間でかなりギャップがあるという問題点を指摘し、子供たちがウィルス作成などの不適切な行動に関与する可能性があることを懸念した。解決方法として、情報技術に関する倫理観、安全性、セキュリティについての講習を学校教育カリキュラムに組み込むことを提案した。

韓国HAURI社の Seok Chul Kwon 氏は、アンチウィルス技術の改良と今後について発表した。

韓国Symantec社の Han Tae Kim 氏は、ウィルスの傾向とデジタル免疫システム(Digital Immune System)について発表した。

以上で、AVAR'99第一日目は終了。

AVAR'99第二日目は、米国Symantec社の山村元昭氏の講演で始まった。山村氏はワームの感染スピードの短縮化についてデモンストレーションを交えて説明し、毎週あるいは毎分ごとに新種ワームに遭遇する可能性があることを示唆し、企業ポリシーとしてどのような変更が必要かを発表した。

韓国KISAの Chae Ho Lim氏 は、韓国CERTとCONCERTを含む韓国のセキュリティ緊急対応チームの応対とウィルス対策活動について、そして他国の類似機関との協力体制について発表した。韓国はCIHウィルスの被害が特にひどく、16万から24万件もの発病件数が報告された。Chae氏はこのウィルス被害の背景事情と、この経験から学んだことを語った。

日本JCSRの遠藤基氏は、ウィルス対策ポリシーと、ユーザにそのポリシーを理解・実践させることの難しさ、そしてその問題点の解決策について発表した。

香港Yui Kee 社のAllan Dyerは、インフォメーション&インターネットセキュリティコースでウィルスとワームの機能について教えた経験を生かし、準備した資料を改良していけば、アンチウィルス専門家たちの「共有知識」の基本になることを提案した。

AVAR'99の締めくくりとして、韓国 Dr. Ahn's Anti-Virus Laboratories Inc.の Charles Ahn 氏が、人間を看る医者からコンピュータウィルスの研究者に職業を変え、韓国で最初のウィルス対策ソフトを開発して有名になった経緯と、韓国のコンピュータウィルスの歴史について語った。



次回のAVAR2000カンファレンスは日本で開催されます。詳細は順次 http://www.aavar.org/ に掲載します。


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